人間の体は脊柱によって支えられていて、その一部の尻側にあるのが尾てい骨と呼ばれる骨です。この尾てい骨は体のバランスを取る役割をしている他に女性の方の場合には出産の際に胎児を円滑に外へ出すための働きをしてくれるため目立たないながらに重要な器官となっています。しかし普段は他の部分に比べると特に意識することなく動かしている部分でもあるでしょう。

普段は気にしないために痛みが生じて始めてその存在を意識するという方もいると思います。それは普段生活している時はもちろんですが、マットレスを始めとした寝具で寝ている時にすることもあるでしょう。他の部位と同じく尾てい骨に痛みが生じるにも当然原因があり、安静にして放置すれば治りますが原因を理解しないとまた発症する可能性が高いです。

尾てい骨の痛みが生じる原因としては普段の生活と寝具を利用したことによるもの、それぞれどのようなものがあるでしょうか。それを踏まえて寝具を利用して生じている場合はどのようなマットレスや布団を選べばいいのでしょうか。

普段の生活で尾てい骨が痛くなる原因

外部からの衝撃

最も分かりやすく、ありえる原因がこれであり転ぶ等して尻を強く打ってしまったりすると尾てい骨にも衝撃が与えられて痛みが生じてしまいます。しかしこのケースの厄介なところは見た目は平気でも骨には大きなダメージを与えている、ということがある点です。そのため尻を打った後に痛みが生じる場合には病院へ行き診断を受けた方がいいでしょう。

転んだ時点では痛みが出ないが、しばらくしてそのダメージが骨に影響が出て痛みとして生じるというケースも存在します。この場合でも痛みがした時点で病院へ行った方がいいでしょう。痛みとしては分かりやすい原因ではありますが、一方で偶然の事故で起こってしまうことでもあるためある意味では一番厄介な原因ともいえます。

負担の蓄積

基本的に骨で痛みが生じる時というのは骨が本来あるべきところからズレているということも多いです。尾てい骨も例外ではなく先の外部からの衝撃はもちろんですが、悪い姿勢で座っていたりするとそれが骨へ負担を与えてしまいます。骨に負担が与えられれば歪んで本来の位置からズレてしまい、それが痛みととして生じることになってしまうのです。

普段からの負担の蓄積が原因であり、特に長時間悪い姿勢で座っていると起こりやすいものになっています。そのため座る時があれば負担を蓄積させないために正しい姿勢で座るようにしましょう。姿勢に関しては尾てい骨に限らず他の部分の骨にも影響を与えるものであるため、それらと合わせて予防するように姿勢の矯正をするようにした方がいいです。

他の部分の異常

尾てい骨の痛みは他の部分の問題によって引き起こされている可能性もあります。特に尾てい骨の周辺にある骨が同じようにズレたり、腫瘍で腫れたりするとそれが尾てい骨自体を圧迫して痛みの原因になる可能性が高いです。強い衝撃や悪い姿勢をしていないのに尾てい骨が痛い場合にはこのケースである可能性が存在します。

これが原因の場合は尾てい骨ではなく他の部分の治療、改善をする必要があり自分だけではどうにもならないことが多いです。そのため衝撃を受けたのと同じように病院へ行き診察をしましょう。

妊娠か出産をした

妊婦の方の場合には最も原因として当てはまりそうなケースです。基本的に妊婦になると骨盤が通常時より広くなりますが、当然広くなればその周囲の骨に負担を与えることになります。それだけでなく尾てい骨の役割は胎児を外に出すことであるため他の部分よりも負担が大きくなり、それが結果的に痛みを生じさせることになってしまうのです。

妊娠、出産をした後に痛みが生じたら高確率でこのケースと考えた方がいいでしょう。

ストレス

万病の元であるストレスも尾てい骨の痛みを引き起こす原因になりえます。この場合には肉体的よりも精神的な理由で痛みが生じているため手術や治療による対処のしようがありません。そのため症状が出ている本人自体の精神面を改善させる必要が出てくるのです。

普段から落ち込んだり、精神的に塞ぎこんでしまいがちで他に原因が考えられない場合はこのケースを疑ってみましょう。

寝具による尾てい骨が痛くなる原因

気をつけたいのは寝具が原因ではなく、既に痛みが生じている尾てい骨が寝具に当たって原因であると考えてしまうケースです。寝具が原因と考える場合には寝具で寝た後、寝ている最中に痛みが生じた時に判断するようにしましょう。

寝姿勢によるズレ

普段の生活において尾てい骨に負担が蓄積してそれでズレてしまうという原因がありました。これは睡眠中でも同じことであり寝姿勢によって尾てい骨に負担を与える姿勢になれば同様に負担が蓄積して痛みを生じさせる原因となってしまいます。寝返りが少なくなってしまうことによって、同じ体勢でいることが多くそれで負担が大きくなってしまうということも原因になるのです。

しかし逆に寝返りが多すぎてそれが少なからず尾てい骨に衝撃を与えているというケースもあり得なくはありません。そのため寝姿勢を始めとして自分の寝返りの少なさ、多さを疑ってみるといいでしょう。

寝具自体による負担

特に仰向けで寝ている方の場合に疑った方がいい原因です。寝具が必要以上に硬い、もしくは薄くて体が床に付いてしまうと尻にその硬い部分による負担が生じてしまうことになります。そうなれば尾てい骨にも負担が生じてしまい、それが痛みの原因となってしまうのです。単に寝具が硬い、薄いだけでなく本人に合っていない種類のを利用しても同じような結果となります。

尾てい骨持ちの方のマットレス選び

尾てい骨に痛みを与える原点が寝姿勢によるズレ、寝返りの問題、硬さと薄さにあるのであればそれらを解決できるマットレスを選べばいいということになります。その点を考えるとやはり尾てい骨とはいえど腰に近い位置にある関係で腰痛対策マットレスの出番です。腰痛対策マットレスは寝姿勢を自然な物にしてくれて寝返りも適度にさせてくれる性能を持ちます。

何より体圧分散性に優れているので寝た時にかかる尻への負担も和らいでくれるのです。しかし寝返りに関してはどの腰痛対策マットレスでもサポートしてくれるとは限らないため、寝返りが満足にできない方は円滑にさせてくれるタイプのを選ぶといいでしょう。一方で寝返りを多くしてしまう方はあまり円滑なのを選ばない方ががいいかもしれません

腰痛対策マットレスの中には薄いものもあり、それらは下に引くタイプであることが多いです。しかしこのようなタイプは下に引く寝具に影響をされてしまうこともあり、寝姿勢が不安定になったり薄さで寝心地に影響が出ることもあります。それが尾てい骨に負担を与える原因にもなりえるので、ある程度の厚さを持ったタイプを選ぶようにしましょう。

硬さに関しては腰痛対策マットレスであれば高反発なもので体を程好く持ち上げてくれる硬さであり適切なものになっています。しかし腰痛対策の中でも柔らかいものがあり、柔らかいのは一見骨への負担を和らげてくれると思われがちですが、負担を集中させてしまうため逆効果となってしまうのです。そのため硬すぎない、しかし柔らかすぎないわ度良い硬さを持ったタイプがいいことになります。

まとめ

尾てい骨は安静にしていれば治りますが、その関に体を休めるために負担を和らげてくれるマットレスの存在は重要です。そのため普段の生活で痛みが生じている場合でも自分が利用している寝具の質は確認して安静が問題なくできるマットレスや布団を用意するようにしましょう。

しかし安静にしていても治らないケースは存在するため、適切なマットレスや布団で寝ていても痛い場合には診断を受けて医療の力に頼るようにしましょう。