シーリーはアメリカの寝具メーカーであり、生誕して100年以上の老舗であるために寝具の業界では有名なメーカーでそれ故にマットレスを探している際にも何度かその名称を目にすることがあるメーカーでもあります。世界の一流と呼ばれるホテルにも使われているマットレスを取り扱っており、その通りに高級なマットレスが多いのですが実際にシーリーが扱っているマットレスはどのようなものがあるのでしょうか。

カランドⅣ

高級なマットレスを取り扱っているシーリーの中では安価な方のマットレスであり、シーリーホテルスタイルという部類に入り、その通りにホテルでの寝心地を家でも、というコンセプトになっています。

ボスチャーテックコイル

ガランドⅣに留まらずシーリーマットレスの最大の特徴ともいえるものであり、普通にコイルを巻くのではなく始点の角度を微妙に変えて構成しているコイルを利用しているコイルスプリングです。角度を微妙に変えることで反発力が強くなり、単に強くなるだけでなく寝た際体圧を感知して、その体圧の部位ごとに最適な反発力を生み出すため体格、体重問わずに相手に応じて理想の寝姿勢をもたらしています。

それだけでなく連立式スプリングユニットで連結部を直線状にすることで体にフィットするような構成にしており、構造の関係で耐久性はもちろん通気性も高いです。

センターサポート

ボスチャーテックコイルだけに頼らず最も荷重がかかりやすいとされる中央部分には他と違って詰め物を足してキルティングも密度を高くすることでサポート力を強化させています。中央だけでなく端の部分にもウレタンケースを用いてスプリングユニットを包むことでボスチャーテックコイルの安定感を更に高めて、端までの寝姿勢の安定感も保つのです。

サポートとしてはこれだけでなくニューミラクルエッジというエッジサポートがされており、これが側面にされることでヘタリを防止すると同時にその側面もしっかりと使うことができる仕様となっています。

通気性と衛生面

ボスチャーテックコイルを連立式スプリングユニットで構成することで通気性を高めていますが、それだけでなくマットレスにはポリジン加工が施されており天然となる銀イオンを利用することでそれに含まれるバクテリア等の菌類増殖の抑制をし臭いが出るのを防ぐ抗菌消臭加工がもされています。それだけでなく抗菌不織布も使われており、素材によっても抗菌対策がされているのです。

素材について

表生地はポリエステル100%のジャガード織がされており、それによってホテルマットレスらしい高級感を漂わせておりプロファイルウレタンを利用することでコイルだけでなく素材でも体を支え、負担を軽減させています。

サイズについて

サイズはシングル、セミダブル、ダブル、ダブルワイドでワイドダブルをダブルワイドと称している珍しいところでもあります。幅はそれぞれ101、121、141、153と97が基本のシングルは他よりも広く設定されており長さは195とこちらは他と変わりがなく、ホテルマットレス仕様なために厚く作られて安価なこのマットレスでも30cmという分厚いものとなります。

コイル数は480、576、672、736となっておりこちらはそれ程特徴的なものではありません。

カランドⅣのメリット

ホテルのような寝心地を体験できる

カランドⅣのコンセプトと共にこのマットレスの最大のメリットで、高級なホテルで寝るマットレスを自宅の睡眠で味わうことができる、高級感のある寝心地を体験することができます。

性能の高いマットレス

ボスチャーテックコイルと素材による体圧分散とそれによる寝心地、サポートによる寝姿勢のバランス、衛生面が考えられた仕様と単に豪華なホテルマットレスではなくマットレスとしての質も高いためそれで寝ることができるのです。ボスチャーテックコイルが寝る人間に応じて働いてくれるため、どのような人間が寝てもよいというのも大きなメリットです。

カランドⅣのデメリット

高い

これはカランドⅣだけでなくシーリーマットレス全体のデメリットですが、高級故にとにかく高いのがポイントであり安価な方のこのカランドⅣでもシングルで8万程度するという高価なマットレスとなっています。性能を考えると納得ではありますがそれでも一般の方が選ぶとなると躊躇ってしまうレベルの価格です。

厚い

この安価の時点で30cmと分厚く、ボスチャーテックコイルであるため沈むことはありませんがそれでも分厚いということは部屋に運ぶ、スペースを取るという等のデメリットが生じます。

どんな人が使うか

価格がポイントですが一方で10万届かずにホテルのマットレスで寝ることができるというのは対価として考えると魅力的な物ではあるため、ホテルのような高級マットレスで寝たいが価格は抑えたいという方に向いているといえるマットレスでしょう。性能も良いのですが価格を考えると性能が良いマットレス自体はこれ以外にも安いので存在するためそうした方には不向きではあります。

他のホテルスタイルのマットレス

シーリーホテルスタイルにはカランドⅣ以外にもマットレスが存在します。

エーデルⅣ

カランドⅣのランクアップ版的な存在で新たにプレッシャーリリーフ・インレーという仕様がされたマットレスであり、これは5ゾーンに分けてそれぞれ部位ごとに最適とされる素材を繋げて不必要な寝返りを抑えるようにします。表と裏で利用する素材を変えており、裏にこのプレッシャーリリーフ・インレーを採用し、表はソフトウレタンを柔らかな寝心地としっかりとしたサポートを使い分けています。

それ以外はサイズの幅、長さ共々カランドⅣと同じであり厚さも31cmと少し厚くなった程度で大きく変わっていませんが、仕様が増えたために価格は跳ね上がっておりシングルの時点で11万程度と10万超えた価格です。

プラドTT

プレッシャーリリーフ・インレーではなくジェルラテックスフォームというものが代わりに使われているマットレスであり、ジェルラテックスは熱を吸収して分散させる性能を持っています。そのため暑い時期は熱を分散させて快適な寝心地にしてくれますが、温度調節機能を持っているため単に熱を吸うだけでなく寒い時期も寒くならないように最適とされる温度を保ってくれるようになっているのです。

その代わりにカランド、エーデルでは搭載されているニューミラクルエッジは存在せずエッジサポートは至って普通のウレタンケースとなってしまっています。サイズはカランド、エーデルと変わっておらず厚さは27cmと2つよりも薄くなっていますが価格はエーデルⅣと変わっていません。

プラドEPT

プラドという名が付いているようにプラドTTのバージョンアップ版であり、表面にユーロトップという肌触りの良い仕様とソフトウレタンを施しておりそれによって柔らかい寝心地が強化されているマットレスです。そうした柔らかい寝心地になって厚さも31cmになったこと以外はプラドTTと変わっておらずサイズも同じですが価格はシングルの時点で14万程度と上がっています。

チタンコレクションのマットレス

ポスチャーテックコイルではなく名称通り原材料にチタンを含ませたコイルであるタイタニウムコイルが使われているマットレスの種類であり、耐久性とソフト感が向上しています。配列も交互配列が使われることでコイルへかかる負担を調整してかかってくる体圧に応じた反発力を他のコイルよりも適切に発揮することができるようになっているのです。

ポリジン加工がされて抗菌防臭による対策がされているのは他のシーリーマットレスと変わっていません。

ライラックⅢ

チタンコレクションの中では最も安価なマットレスであり、これだけ交互配列ではなく従来のシーリーマットレスと同じ並行配列が使われており従来通りの寝る人間に応じた反発力を生み出すだせるマットレスとなっています。ハードのFirmとソフトのPlushの2種類があり使用するウレタンを硬めかソフトかを変えることでその硬さを変えており、Plushの方でも程好い柔らかさのマットレスに調整されているのです。

サイズ自体は他のシーリーマットレスと変わっておらず厚さは28cmとなっており、価格はチタンが使われていることもあってホテルスタイルのよりも高めになっておりシングルで12万程度であり、ハードとソフトで価格は変わりません。

クラリスⅡ

ライラックⅢが並行配列を使っていたためチタンコレクションとしてはこれが一般的なタイタニウムコイルと交互配列が使われたマットレスとなります。ライラックⅢと同じようにハードのFirmとソフトのPlushの2種類があり、Firmの方は表面にジャンプキルトを施して硬めのウレタンを利用し、Plushはスーパーソフトウレタンとソフトウレタンを利用して柔らかく整えました。

厚さは28cmでサイズは他と変わりませんが価格はライラックⅢより高くなっておりシングルで14万程度とホテルスタイルのプラドERTと同じ価格設定です。

ラグラスⅡ

ホテルスタイルのカランドとエーデルに実装されているセンターサポートとプラドに実装されているジェルラテックスフォームが実装されたチタンコレクションのマットレスです。3ゾーン構造にもなっておりウレタンとラテックスが違う部位ごとに使われて負担のかかる中心部分はラテックスでサポートする構成になっており、センターサポートとの合わせでより腰への負担が少なくされているのです。

サイズ自体は他と変わらず厚さも30cmとなっておりますが構成のこともあって価格はクラリスⅡより高くなっており、シングルで17万という設定となっています。

エバンスⅡ

ラグラスⅡのバージョンアップ版のようなものであり大半の構成はラグラスⅡと変わりませんが素材にソフトウレタンとフィラーシートが加わり、それによって柔らかな感触と横向きで寝た時に適切なフィットがされるようにしたマットレスです。サイズも変わりませんが素材の追加で厚さは32cmと厚くなっており、価格も19万と多少高めになっています。

ロンドⅢ

チタンコレクションの中では最も高価なマットレスであり、エーデルⅣでも使われたプレッシャーリリーフ・インレーが使われていて5ゾーンの部位ごとにかかる負担を考えて素材を変えることで不要な寝返りを抑えます。身も蓋もない言い方をしてしまえばスーパーソフトウレタン、フィラーシートといった素材が使われ、タイタニウムコイルの交互配列に変えられて表と裏の違いがなくなったエーデルⅣと考えていいです。

一番高価だけあって厚さも34cmとチタンコレクションの中で一番厚く設定されており、価格もシングルの時点で22万程度と20万超えをしています。

ハイブリッドのマットレス

シーリーのハイブリッドマットレスはポケットコイルマットレスでありタイタニウムコイルと同じくチタンが含まれているアペックスコイルというのが使われており、耐久性はもちろんのこと睡眠時の振動を吸収する働きをします。

コイルの他にはジェル素材が使われておりジェルラテックスと同じく熱の吸収と分散でマットレスの温度調節をした快適な寝心地の温度にしてくれ、ジェルメモリーフォームで低反発の心地よい寝心地をもたらしてくれるのです。

このジェルメモリーフォームはオプティクールと呼ばれる通常のとは違うもので通常よりもその熱と温度に対する性能が高くなっており、3つのゾーンに分けることで負担がかかりやすい腰の部分を強くサポートします。他の例に漏れずポリジン加工もして抗菌防臭加工は万全です。

オーセンティック

いわゆるスタンダードなハイブリッドマットレスであり、サイズは他と変わらず厚さは27cmとシーリーマットレスの中では薄い方でシングルの時点で価格は13万です。

スーペリア

オーセンティックにオプティクールジェルメモリーフォームだけでなくもう一層メモリーフォームを加えたマットレスで更に体へのフィット感が強くなって寝心地が強化されています。一層加わった分厚さは32cmと厚くなりましたがそれ以外はサイズと共に変わらず、価格は多少上がってシングルの時点で15万程度です。

デラックス

スーペリアにオプティクールのではなく通常のジェルフォーム自体も一層加えたバージョンのマットレスであり、それによってスーペリア以上にジェルとメモリーでの寝心地が強化されています。厚さが34cmになった以外は他のハイブリッドと変わりませんが、価格はハイブリッドの中では一番高くシングルの時点で19万程度とオーセンティックからスーペリアよりも価格が跳ね上がっているのです。

クラウンジュエルのマットレス

シーリーマットレスの中では最も高価な種類であり、ボスチャーテックコイルも通常のではなくボスチャーテックD.S.Sコイルが使われるようになりました。D.S.Sはデュアルサポートシステムを意味し通常のをベースにコイルの上下を伸ばしたシナーフレックス・サーフィスという米国特許取得がされている加工をすることで最適な反発力と共に優しい寝心地のサポートもしてくれるようになりました。

ポリジン加工も当たり前のようにされています。

アメジストⅡ

クラウンジュエルの中では最もスタンダードでエーデルⅣと同じくプレッシャーリリーフ・インレーが加えられボスチャーテックD.S.Sコイルとの組み合わせによる寝心地が提供されているマットレスです。素材としてはハードウレタンが2つと高反発素材であるラバーウレタンが使われていることで硬めかつ弾力のある素材によるしっかりとしたサポートもしてくれています。

サイズは他と変わりませんがコイルが伸びたことと素材を詰めていることで厚さは35cmと分厚くなっており、価格もシングルの時点で22万と高めの設定です。

ラズライトⅢ

ピロートップによる仕様が表面にされ、側面には通気口だけでなくホルミックシートを内蔵させることで空気だけでなくマイナスイオンを放出させるマットレスです。アメジストⅡと同じくプレッシャーリリーフ・インレーがありますが更にセンターサポートが加えられることでより体の部位による負担を細かに分散させ、低反発高弾性プロファイルウレタンで低反発の柔らかながら弾力性のある寝心地を提供しています。

厚さは33cmとアメジストⅡより薄くなってサイズ自体は変わっておらず価格は高くなっておりシングルの時点で24万程度の設定です。

ターコイズⅡ

クラウンジュエル及びシーリーのマットレスの中では最も高価なマットレスであり、プレッシャーリリーフ・インレーで部位ごとの負担を分散しながらスーパーと通常のソフトウレタンで反発がありながら柔らかい寝心地のあるマットレスとなっています。また生地にステープルファイバーが使われておりこれは肌触りはもちろん湿気対策や熱に強い、有害物質が出ないという環境に優しい性能が高いものです。

その厚さは厚さ44cmとシーリー内はもちろんマットレスの中でもトップクラスの厚さとなっており、価格もトップクラスではありますがシングルで28万程度と他の高価なのを販売しているメーカーに比べると安めに感じられる価格設定です。

それ以外のシーリーのマットレス

シーリーベッド モノグラム6000

量販店で販売されているシーリーのマットレスであり公式サイトには掲載されていないタイプのマットレスです。素材自体はそこまで特別なものが使われていませんがコイルはシーリーマットレスの特徴であるボスチャーテックコイルがしっかりと使われており、それでいて購入する場所によって異なりますがカランドⅣより安価で購入することができます。

一言でモノグラム6000と称してもその種類は様々であり一番安価でハードとソフトによる寝心地を選ぶことができる厚さ27cmのブランシ2、同じくハードとソフトを選ぶことができ厚さ28cmとテリーサ2があります。更にこの上位モデルとして表にニット生地が使われてソフトとハードでを選ぶことができる厚さ28cmのマジェスタ3、二度焼きのスプリングが使われてソフトな寝心地にしている厚さ28cmのアネットも存在するのです。

一番上はアネットPTでありアネットの内容に加えてピロートップ仕様で厚さも30cmとなっています。どれもシングルは10万超えない価格となっており公式に掲載されているのよりは劣るところはありますがシーリーのマットレスを安価に手に入れたいと考える場合にはおすすめです。サイズ自体はどれも公式と同じくシングル、セミダブル、ダブル、ダブルワイドと幅、長さも変わっていません。

シトラスⅡ

こちらも公式には掲載されていないマットレスでありますが名称の語感から想像できるようにタイタニウムコイルが並行配列で使われたチタンコレクションタイプのマットレスです。プレッシャーリリーフ・インレーとセンターサポートが使われているために部位ごとの分散もできており、ラズライトⅢと同じく低反発高男性プロファイルウレタンが使われていて柔らかい弾力性のある寝心地となっています。

サイズは他と変わりませんが厚さは32cmと厚い方でありその分価格もシングルで18万と高めです。

ウィスラー

公式に掲載されていないハイブリッドシリーズのマットレスであり、その通りにジェル素材が使われて熱の吸収、分散と温度の調節をする性能を持っています。コイルの方はポケットコイルが使われている3ゾーン構成になっており、部位に応じて線径が違うコイルを設置して負担のバランスを整えています。

厚さは30cmでサイズは他と変わりませんが価格は公式に掲載されているハイブリッドシリーズと比べると高めに設定されており、シングルの時点で23万とデラックスよりも高いです。

シャノン

こちらもウィスラーと同じく公式に掲載されていないハイブリッドシリーズであり、ジェルの使用と3ゾーン構成のポケットコイルなのはウィスラーと変わりませんがこちらは低反発のジェル素材が使われているマットレスとなっています。そのためマットレスの性質としては単にウィスラーの低反発バージョンと考えてよく、実際にサイズ、厚さ、価格共々ウィスラーと同じです。

まとめ

シーリーのマットレスはホテルで使われる高級品が故にどれも価格は一般のよりも高くなっており一般人にとっては手が届き難い価格となっています。しかし一方で50万以上もかかるマットレスがある中で一番高いのでも30万辺りに抑えているため、高価なマットレスを求めているという前提で考えると比較的「安い」と認識することも可能です。この辺りは自分の金銭感覚も含めて高い安いかを決め手購入するかの判断をしましょう。