マットレスに求めることは寝心地や通気性など色々ありますが、中には腰痛対策に特化したマットレスもあります。
この腰痛対策マットレスにも様々な種類に分類することができ、その種類はコイルスプリングとノンコイルというだけでなく、使われている素材などでも変わってきます。
種類が違えば、当然腰痛を改善するためのメカニズムが違います。ここでは、腰痛対策向けのマットレスの種類とその選び方を解説します。
腰痛持ちの方は是非参考にしてみてください。
ノンコイル(高反発・低反発)の腰痛対策マットレス
基本的に腰痛対策のマットレスとしてはノンコイルタイプのマットレスが多くなっています。
ノンコイルマットレスは大きく分けて高反発か低反発かといった違いがありますが、腰痛対策としてはその大半が高反発のマットレスとなっています。
高反発の腰痛対策マットレス
高反発は腰痛持ち向けのマットレスが多く、人気商品で言うとモットンなどが有名です。
使われている高反発素材はメーカーによって異なりますが、基本的には独自で開発している高反発素材を利用しているところが多くなっています。
例として挙げると、エアウィーヴのairfiber、マニフレックスのエリオセルといったものがあります。
高反発マットレスが腰痛対策に良い理由
性能は素材によって異なりますが、高反発というだけあってどれも反発力が強く、体を押し上げてくれることは変わりません。
体を沈ませずに押し上げてくれることで体の寝姿勢を適切なものに保ち、体圧分散を均一にして腰への負担を軽減させてくれます。
また、寝返りも円滑になり、寝返りの回数を適切にして疲れを取る働きも持ち合わせています。
腰痛対策以外でも性能が抜群の高反発
反発力が強いということは復元性・耐久性も高く作られているため、長持ちするものが多くなっています。
また、低反発に比べて通気性が良いので蒸れにくいのも特徴です。商品によっては素材をカバーから取り出して水洗いで汚れを落とせるタイプもあるので衛生的でもあります。
高反発マットレスを使う注意点
メーカーの素材によっては「弱点」が存在し、使い方によっては本来耐久性が高いはずの高反発マットレスが劣化してしまう可能性があります。
例えば、エアウィーヴの高反発素材「airfiber」は熱に弱いという弱点があり、高温の環境で利用すれば通常よりも寿命が来るのが早くなるということもあるのです。マニフレックスのエリオセルも多少の抵抗はあれど、あまりにも気温が高い・寒いとそれによる性質の変化を受けてしまう可能性が出てきます。
このように、メーカーによって素材の長所・短所が変わってくるので注意が必要です。
低反発の腰痛対策マットレス
腰痛持ちにおすすめの低反発マットレスはない!?
基本的に低反発のマットレスは腰痛対策向けとしてほとんど存在しません。それは当然の話であり、低反発のマットレスは腰痛持ちの人にとっては逆効果になるマットレスとなるからです。
低反発は名の通りに反発力が弱く、寝た際には反発することなくそのまま沈んでいく素材です。柔らかいので寝心地が良いマットレスとなっています。
特に腰の部分が沈んでしまいやすく、沈めばその分腰への負担も大きくなってしまいます。しかも沈むということは寝返りの阻害にもなり、寝返りの回数が自然に減ってしまって体への疲れが癒されず、その結果腰の疲労が溜まってしまう結果となります。
例外はないの?
低反発マットレスは体圧分散性には優れているため、必要以上に沈まなければそこまで腰に負担はかかりません。また、寝返りが過剰な方にとっては寝返りが減る低反発を選択するというのも1つの手かもしれません。
とはいえ、基本的には腰痛持ちの方が低反発マットレスを選ぶのはおすすめできません。
コイルスプリングの腰痛対策マットレス
コイルスプリングのマットレスは基本的にボンネルとポケットの2種類に分けることができます。
ボンネルコイルとポケットコイルはどっちが良い?メリット・デメリットを比較してみた
ただし腰痛対策向けのマットレスの場合、ボンネルとポケットのどちらでもない独自のコイルスプリングを使っているマットレスも多くなっています。
ボンネルコイルの腰痛対策マットレス
腰痛対策でコイルスプリングを使っているマットレスを選ぶのであれば、基本的にはボンネルの方を選ぶことになります。
なぜボンネルコイルが腰痛持ちに良いのか?
ボンネルはコイルが連結されて全てが繋がっていているので面で体を支えるようになっている構成です。そのため支える力が強く、体を沈ませずに持ち上げてくれるため腰が沈むことが少なく、腰の部分に負担を集中させることなく軽減してくれるようになっています。
何よりボンネルはポケットに比べると使われているコイル数が少ないです。そのためポケットよりも安価な物が多く手に入れるための費用も安く済ませることができるのも手に入れる側としては大きなメリットです。
ボンネルコイルの欠点
しかし一方で、全体で支えているためどこかに不備が出るとその途端に性能が不安定になってしまいます。性能が不安定になってしまえば沈んでしまう可能性も出てきて寝姿勢も不自然なものになってしまい、それが腰を痛める原因になってしまうこともあり得ます。
何よりポケットより安いということは、その分耐久性に不安がある商品も多いというデメリットも存在することになります。
ポケットコイルの腰痛対策マットレス
一般的にポケットはボンネルと比較すると使われているコイルの数が多く、費用も高いため性能としては高いマットレスのように見られます。果たして腰痛対策としてはどうなのでしょうか。
ポケットコイルは腰痛悪化の可能性も!?
腰痛対策としてみるとこのポケットコイルタイプのマットレスはほとんど存在しません。
むしろ「ポケットコイルのマットレスは腰痛になる原因や悪化させる可能性が高い」という腰痛対策としてはデメリットの大きい種類であるといえます。
ポケットコイルが腰痛持ちに向いていない理由
腰痛対策に向いていない理由は、コイルが独立して点で体を支えるタイプのマットレスという所です。
コイルが独立しているということは、一部に不備が出ても他の部分で補えて長く使えるというメリットがあります。
しかし、ポケットは部分部分が沈むため柔らかいことが多く、腰の部分はそこまで沈みませんが、寝る人の体重によっては大きく沈んでしまう恐れがあるのです。
腰痛対策向けの「13層やすらぎマットレス」はポケットコイル?
基本的にポケットコイルは腰痛対策には向いていませんが、中には例外もあります。
代表的なのが13層やすらぎマットレスです。
腰痛対策に適した13層やすらぎマットレスは、ポケットコイルでありながら「プレミアム反発コイル」という特殊なポケットコイルを高密度に配置することで体圧分散や耐久性を高めています。
このように、ポケットコイルだから全てダメというわけではなく商品ありきだということです。
独自コイルスプリングの腰痛対策マットレス
ボンネル・コイル以外にもメーカーが独自に開発したコイルスプリングのマットレスもあります。例を挙げるとすればフランスベッドの高密度連続スプリングです。
高密度連続スプリングは一本の銅線を連続で編み上げて構成しているタイプです。連続で編み上げているお陰で耐久性が高いだけでなく、適度な硬さを持っており沈ませずに体を支えてくれます。
沈ませないだけでなく体圧分散性も高いため、体全体はもちろんのこと、腰の部分の負担も抑えて寝た時の動きによる体圧分散性を整えてくれます。
デメリットを挙げるとすれば、ボンネルと同じく連続して編み上げられているため、耐久性は高いといえどどこかに不備が出ればそれが全体に出てしまう点があります。そのためどこか不備が出てしまえば替える検討をする必要が出てくるでしょう。
腰痛対策マットレスの選び方まとめ
基本的に腰痛対策で選ぶのであれば、高反発マットレスから選んでいくことになります。
勿論、コイルスプリングによる寝心地がいいのであればコイル系のマットレスもありですし、柔らかい寝心地も求めたいのであれば低反発も選択肢に入るかもしれません。
ですが、それ以上に高反発マットレスには腰痛対策に適した条件がそろっています。
- 体圧分散性に優れている
- 腰が必要以上に沈まない
- 寝姿勢を整えて腰に負担がかからない
また、他の種類と比べると高反発マットレスを扱っているメーカーが多く選択肢が広いため、自分に合うマットレスを選ぶことができるというのもメリットでもあります。
ただし、同じ腰痛持ちでも人によって合う合わないがあります。実際に試すことができれば一番ですが、ネット通販であればモットンなどの返金保証のついているメーカーを選ぶのが安心です。